6. 食肉不信 2001/1/27

牛肉(狂牛病)だけでなく豚肉も危ない?!
昨年暮れに始まった狂牛病パニックは大きくなる一方です。全国で次々と感染した牛が見つかり、国内産牛肉の消費は回復の気配がありません。“環境のはなし>狂牛病”には『消費が半分に減った』と書きましたが、今日のニュースに出てきた屠殺(とさつ)場では牛肉の出荷量が以前に比べて7割も減ったということでした。

今、狂牛病に続いて大問題となっているのが国内産の豚肉。一部の養豚場で成長ホルモンと抗生物質を使用していることがバレて、国内の食肉不信を一層深刻にしています。どちらの薬品も禁止されているのですが、早くブタを太らせ、ギュウギュウ詰・不衛生な豚舎で飼育するために使われたようです。『薄暗い豚舎にブタが押し込まれ、ネズミが床を走りまわり、病死したブタが放置され、薬品の空瓶が山のように積まれている』映像まで流れましたから、普通の神経を持った人なら『肉はもう結構』となります。

すべての飼育業者が同じことをしているわけではありませんが、ブタを放し飼いしているのは一部のエコ養豚場などだけ。多くの人が『スーパーで売られている肉(牛、ブタに限らず)を食べて本当に大丈夫?』と疑いを持つようになりました。狂牛病のために『牛がだめなら、ブタか鳥を食べよう』と思っていた人たちの肉離れが大きく進みそうな勢いです。

先日一緒に食事をした人は(魚は食べる)ベジタリアンでした。理由を聞いたら数年前に2週間屠殺場で働いたことがあるのだそうです、なるほど。動物を大切に育て、人が本当に必要な分だけを屠殺し、感謝をもってその肉を食べる。現代社会はそんな謙虚な生の営みを忘れてしまったように感じます。一般的な環境問題には敏感なドイツですが“食の環境”についても深く考えなければならないということでしょう。

前のトピック|次のトピック|<環境のはなし>のもくじ | 表紙ページ

(C)Copyright 2000,2001 MATSUDA,Masahiro. All rights reserved.