エコロジー農業

畑のビオトープ

< もくじ >
エコロジカルな農業
畑に広がる緑地のネットワーク

エコロジカルな農業
ドイツではエコロジカルな農業も試されています。エコロジカルな農業とは、なるべく環境に負担をかけないように注意して、ビオトープの考え方を取り入れた農業です。ただ、ドイツ全体で見ればこういった農業のやり方はまだまだで、特にドイツ北部の平野にはブッシュなどの無い広大な農地が広がっています。

例えば、肥料の使い方にもいろいろな種類があります。『従来の化学肥料でも使用量を減らす』、『化学肥料を使わず自然のたい肥だけを使う』、『肥料をまったく使わない』など。農薬の使用についても同じです。害虫の外敵となる虫を使ったり、多種類の作物を植えたりしてなるべく農薬を使わないような農業のやり方が模索されています。

草を刈る場合でも、『トラクターで刈る』より『人の手で刈る(携帯式の草刈機で)ほうがよりエコロジカルだといえます。トラクターで刈り取れば硬いタイヤで地面を踏みつけることになってしまいまうからです。

エコロジカルな方法で農業をすると、農家としては手間が増えたり収穫量が減ることもあるので、その分を市が援助する制度があります。今まで使っていた農地を牧草地や、農業に使わない緑地に変える場合も補償金が支払われます。具体的な補償金の額については農地の使用制限に対する補償を見てください。
 

畑に広がる緑地のネットワーク
もし広い土地を畑だけに使うと、動物の住む場所は全く無くなってしまいます。『畑と畑の間にブッシュを残す』、『用水路の草をあまり刈らない』、『農道に草原の草を植える』、『所々に鳥が休めるような木を植えたり、小さな林を残す。』などに注意すれば、小動物や鳥にとって住みやすい場所となります。

畑では数年に一度、土を休ませる『休耕』が行われますが、カールスルーエ周辺の休耕地には『からしの一種』がよく植えられます。秋になると一面に黄色い花が咲き、まるで菜の花畑のように見えます。こういった休耕地も動物にとってはいいすみかです。

市の農地計画を見ると、そういった緑地がまるで網の目のように広がっています。そういう『緑のネットワーク』がビオトープにはとても大切で、カールスルーエ市の試みが注目されます。下の写真は、農地の中にビオトープを作っている例です。
多様性のある農地
まず、等高線に沿って作物を植えて、雨が降った時に表面の土壌が流れにくいようにしています。また、畑と畑の間にかならずブッシュなどの緑地を作り、小動物が自由に移動できるようにしています。広大な農地が均一に広がるのではなく、多様性のあることがわかります。
牧草地の間にある用水路のブッシュ
いつも水が流れているわけではなく、雨が降った時だけのようです。そこもブッシュになっていました。
草の生えた農道
農道にも意図的に草原の草花が植えてあります。

 
このページ<エコロジー農業>のトップ | <ビオトープ>のもくじ | 表紙ページ
ビオトープ見学は、市の公園局の方にお世話になりました。
Copyright 2000 MATSUDA,Masahiro. All rights reserved.